いまマレーシア・クアラルンプールの空港で日本へ帰国する飛行機の搭乗時間を待っている。
ロビーに旅で訪れた国や町へ向かう便の搭乗アナウンスが流れると、その瞬間に訪ねた土地の記憶や思い出が鮮やかに甦り、その飛行機に乗り込んでもう一度自分もそこへ戻ってしまいたくなる。まだ訪ねていない国や町のアナウンスがあるとその見知らぬ土地への憧憬が胸一杯に膨らむ。
自由な僕はその気になれば、このまま旅を続けることももちろんできるが、それはしがらみというよりも僕を繋ぎ止めてくれるものが少ないからだとも言える。そういった意味では自由とはさびしさと裏腹だ。
しかしそこに愛がないかと言えばそうではない。親しい人たちを大切に思うこととその人から離れて旅に出ることとは決して矛盾しないと僕は信じている。
今回の旅の途中、インドネシアのジャカルタで出会ったUlanは、深夜の路地裏でそのことについて歌っていた。彼女は今日もどこかで歌っているのだろうか。三崎のみんなは僕の一時帰国を喜んでくれるだろうか。
No comments:
Post a Comment